皆さんは「ブロンドエール」というビールをご存知でしょうか。
クラフトビールの中ではそこまでメジャーなスタイルでもないので、ある程度クラフトビールが好きという方以外はあまり聞きなれないものかと思います。
ブロンドエールを簡単にご説明すると、苦みの少ない、スッキリとした飲み口のエールビールです。つまりとても飲みやすいビアスタイルの一つです。
一部では、当時、世界中を圧巻していたピルスナーに対抗した新しいビールとして開発されたとも言われています。若者の人気を獲得するために、苦みを抑えスッキリ爽やかなビールを目指し、このビールが生まれたようです。
今回はこのブロンドエールというビールについて詳しくご紹介していきます。

ブロンドエール=ゴールデンエール
ブロンドエールは、実はゴールデンエールとも呼ばれています。むしろこのゴールデンエールという呼び方の方が今は認知されているかもしれません。国内のビールメーカーでもブロンドエールを出しているメーカーはそう多くないのに対し、ゴールデンエールはかなり多くのメーカーが出しています。
それは、「ゴールデンエール」と表記した方がこのスタイルの味のイメージが付きやすいからかもしれません。

ブロンドエールの特徴
ブロンドエール(ゴールデンエール)の特徴を詳しく見ていきましょう。
まずは見た目ですが、その名の通り奇麗な琥珀色をしています。
アルコールの強さは3.8~5.7%程度。
ホップの特徴が出ているものが比較的多いです。
英国のエールより淡い色の麦芽を使用するのが一般的で、二条大麦麦芽、デキストリンモルト、カラメルモルト、ミュンヘンモルトを加えることであのきれいな色を作っています。
スッキリとした味わいのものが多く、軽めのボディと、フルーティーな香りもこのビールの大きな特徴です。

ブロンドエールに合う料理
スッキリとしたこのエールの味はシンプルな味付けの料理に合わせるのがおすすめです。
派手さがなく、繊細できれいな味のビールなので、それに合わせる料理も繊細な和食や塩、胡椒だけのシンプルな味付けのものなどと相性が良いです。
他には海鮮料理なども非常に相性が良く、特に白身魚など淡白な味のものと相性抜群です。
ブロンドエールはわかりやすく強い苦みや香りはなないのですが、しっかりと香り、苦み、コクがあるとても奇麗なビールなので、それに合う料理の幅も非常に広いのが特徴です。

ベルギーのストロング・ゴールデン・エール
ベルギーにストロング・ゴールデン・エールと言われるとても有名なビールがあります。
中でも人気があるのが、「ストロング・ゴールデン・エールの開拓者」と言われるベルギービール「デュベル」です。
このビールはベルギービール好きであれば、だれもが知っているとても人気のあるビールです。

ブロンドエールのグラスルーツ「デュベルというビール」
デュベルはヤン・レオナルド・モルトガットという人物によりモルトガット醸造所で醸造されました。
デュベルの特徴としてよくあげられるのが瓶内2次発酵をさせている点です。通常は、醸造タンク内で、主発酵、後発酵が済んだら発酵を止めて、瓶詰作業に入りますが、デュベルは瓶詰後も瓶内で発酵し続けます。これにより糖分を残さないキレのある味わいがうまれるのです。
この手のビールは苦みよりもフルーティーな味わいが目立ち、度数のわりに飲みやすいものが多いです。
デュベルはそのアルコール度数に対する異常な飲みやすさから「悪魔のビール(Dubel)」という名前が付けられたほどです。
繊細な香りと絶妙な苦みを備えたゴールデン・エールとして、1918年から変わらないレシピで醸造され続けています。
柔らかさと強さが絶妙に調和した飲み口。口当たりは柔らかく、強いアルコール感も感じるこのビールは昔からベルギーだけでなく世界中に愛されています。
フレミッシュ・ブロンドエールとワロニアン・ブロンドエール
因みに、ベルギーのブロンドエールにはフレミッシュ・ブロンドエールとワロニアン・ブロンドエールの2種類あります。
これらについても軽くご紹介いたします。
フレミッシュ・ブロンドエール
独特な味わいで人気が高いブロンドエールです。
ベルギーの北部、フランデレンで造られ、ハーブ、スパイス、フルーツは使わず、モルトとホップのみで造られているのが特徴です。
エステル(フルーティーな香りを発する化学成分)をきかせた独特の味わいがあり、一部で熱狂的なファンがいます。
ワロニアン・ブロンドエール
苦みが穏やかで飲みやすいブロンドエール。
さわやかな口当たりが特徴で、ベルギーの南部、ワロニーで造られます。
重厚な飲み口のものが多く、フレミッシュ・ブロンドエールに比べて、軽快で爽やかな口当たりを特徴としております。
また、苦みが穏やかで飲みやすいので、幅広く人気のあるブロンドエールです。
ブロンドエールなマイエッラビール
マイエッラビール Cluviae クルヴィアエ クラフトビール 南イタリア産 マイエッラビール Dea Maia ディア・マイア クラフトビール 南イタリア産 マイエッラビール Emigrante エミグランデ クラフトビール 南イタリア産
ブロンドエールのまとめ
ここまでブロンドエールについてご紹介してきました。
ブロンドエールはそこまで認知度の高いクラフトビールではないかもしれませんが、フルーティーな香りとスッキリとした飲み口が特徴のとても親しみやすいビールです。クラフトビールの入り口にふさわしいビールですので、クラフトビールに興味がある方は、是非、ブロンドエールから試されてみてはいかがでしょうか。

Novi Luna ノヴィ・ルーナ
軽くきめ細やかな繊細な泡と、柔らかい乳白色に白濁したビール。
素材にラベンダー、カモミール、オレンジの花、コリアンダーの種、オレンジピールなどが使われ香りがとても豊かな華やかなエールビールです。

Cluviae クルヴィアエ
靄がかかったような黄色のブロンドビール。
素材にりんごジャムを使用し穀物や果実のフルーティーさとほんのり酸味の爽やかな味わいが楽しめます。

Emigrante エミグランデ
アメリカのペールエールをヒントにつくられた深い金色のブロンドエール。
麦芽を100%使用し、香りと苦味のバランスがよくしっかりとした味わいです。

Magia d’Estate マジアデスターテ
ドイツのヴァイスビアをヒントに作られたウィートエールです。
オレンジピールの香りに泡は軽くきめ細やか。
乳酸菌の発酵による酸味とホップの苦味がアクセント。


Matthias マシアス
はちみつの香りと、豊かでクリーミーな泡のアンバーエール。
キャラメルのアロマ、果物、蜂蜜のオーガニックな味わいがしっかりと感じられます。

Bucefalo ブセファロ
力強い黒色、泡はクリーミーで赤褐色、芳醇なダークエールです。
チョコレート、コーヒー、リコリスの香りがホップの存在感と見事に調和。
ブラウンシュガーも効いていて嫌な苦味がありません。