ビールが苦手な人にその理由を尋ねると「ビールは苦いから好きじゃない」という声が多く聞かれます。そんな人にこそ飲んでほしいビールをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

どうしてビールは苦いの?
「ビールは、苦いから美味しい!」と思っている人は、決して少なくありません。ビールにとって苦みとのど越しは、美味しさを語るうえで欠かせない要素です。
しかし、ビールの苦みは、苦手な人はとことん苦手なもの。
では、どうしてビールは苦いのでしょうか?
ビールは、麦芽・ホップ・水を発酵させて作ったお酒です。これらの原料の中で「ホップ」が苦みの決め手になっています。
ホップはアサ科カラハナソウ属の多年生植物です。アメリカやチェコ、ドイツなどで盛んに栽培されてきました。
最近では日本でも栽培されており、北海道や青森県、岩手県、秋田県などが主な産地になっています。
ホップは、雌雄異株( しゆういしゅ )の植物です。
ビールの原料になるのは、「受粉していない雌株の花」に限られています。
この花を縦に割ってみると、中心部「ルプリン」という黄色い粒が付いているのですが、これがビールの香りや苦みの元なのです。
ルプリンに付いている苦みや香りの元にはいくつもの種類があります。なかでも特に注目したいのが「α酸」です。
α酸は、熱に加わると「イソα酸」に変化します。
このイソα酸が、ビールを苦みのカギを握っているのです。
一般に苦いビールを造るには
・α酸の多いホップを使うこと
・ホップにしっかりと熱を加えること
・ホップをたくさん使うこと
が必要だと言われています。
熱を通しすぎるとホップの豊かな香りが失われてしまったり、ホップを入れすぎると苦すぎて飲みにくいビールになってしまったりするので、どんなホップをどれだけ・どのタイミングで使うかを見極めるのが醸造家の腕の見せ所です。
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苦みが少なく飲みやすいビールのスタイル4選
「ホップが苦みを生み出しているなら、ホップができるだけ少ないビールを選べば苦くないはず!」と思うかもしれません。しかし、ホップの香りや苦みが感じられないビールは、飲んだところで物足りなさを感じるのではないでしょうか。
そんな時は、ホップの香りがしっかり感じられつつも苦みが穏やかなビールを選んでみましょう。
早速、ビールビギナーでも飲みやすいビール種類(スタイル)を4つご紹介します。
ヴァイツェン
「ヴァイツェン」は、ドイツで作られているビールです。小麦麦芽を使っており、甘い香りと穏やかな苦みで、ビールの苦みが苦手な人でも飲みやすいとされています。
酵母をろ過していない、濁ったタイプのヴァイツェンビールを「ヘーフェヴァイスビア」と言います。
ホワイトエール
ベルギーで作られているビールです。「ホワイト」や「ベルジャンホワイト」と呼ぶこともあります。
オレンジピールやコリアンダーなどで風味付けをしているので香りがよく、苦みはほとんど感じられません。
麦芽化していない小麦を使っているため、スッキリとした爽やかな飲み口です。
スタウト
「コーヒーのような苦みであれば平気」という人には、「スタウト」をおすすめします。
「スタウト」はアイルランドで生まれたスタイルで、どっしりとしたコクが特徴です。
真っ黒になるまで焙煎した麦芽を使っているため、ビールも黒に近い褐色をしています。
焙煎した麦芽の苦みと香ばしい香り、カラメルのような甘さが感じられるので、苦いだけのビールが苦手な人にはおすすめです。
フルーツビール
どうしてもビールの苦みが苦手という人は、「フルーツビール」を試してみてはいかがでしょうか?
フルーツビールは、ビールに果汁などを加えて作ったお酒です。
さくらんぼやフランボワーズ、カシスなどを使って作ったフルーツビールは、香りも甘酸っぱく、苦みもそれほど気になりません。
ベルギーでは伝統的に作られてきた種類のビールで、最近では日本でもフルーツビールが増えてきています。

ビールをもっと飲みやすくする方法
飲みやすいビールを選ぶだけでなく、飲み方をひと工夫するだけでもビールはもっと飲みやすくなります。
そのポイントをお伝えしましょう。
スタイルによって温度を変えてみる
ビールに限らず飲み物は、温度によって味わいが変わるものです。
ビールを味わう時も、少し温度に気を配ってみましょう。
苦みが強いビールを味わう時は、しっかりと冷やした方が苦みを感じにくくなります。
一方で、苦みが弱いビールは10℃~15℃程度で味わった方が、香りやフルーティーな味わいをしっかり感じることができます。
ビールにも「飲み頃の温度」があるので、スタイルに合わせて温度を変えてみてください。
カクテルにしてみる
「ビールを飲みたいけど、どうしても苦みが気になる!」という時は、ビールを使ったカクテルにしてしまうのも良いでしょう。
ビールを使ったカクテルには「レッドアイ」や「シャンディ・ガフ」などがありますが、ほかにも様々な種類のカクテルがあります。
乳酸菌飲料と合わせた「ダブルカルチャード」
コーラと合わせた「コークビア」
オレンジジュースと混ぜた「ビター・オレンジ」
サイダーで割った「パナシェ」
どれもグラスに注ぐだけで簡単にできるビアカクテルです。
ぜひ色々なレシピを試してみてください。

まとめ 飲みやすいビールを探してみよう!
「ビール=苦いもの」というイメージから敬遠している人は少なくありません。しかし、ビールのスタイル選びや飲み方を工夫すれば、苦みを気にせず美味しくビールを飲むことができます。
ぜひ自分に合った飲みやすい方法で、ビールを楽しんでみてください。

Novi Luna ノヴィ・ルーナ
軽くきめ細やかな繊細な泡と、柔らかい乳白色に白濁したビール。
素材にラベンダー、カモミール、オレンジの花、コリアンダーの種、オレンジピールなどが使われ香りがとても豊かな華やかなエールビールです。

Cluviae クルヴィアエ
靄がかかったような黄色のブロンドビール。
素材にりんごジャムを使用し穀物や果実のフルーティーさとほんのり酸味の爽やかな味わいが楽しめます。

Emigrante エミグランデ
アメリカのペールエールをヒントにつくられた深い金色のブロンドエール。
麦芽を100%使用し、香りと苦味のバランスがよくしっかりとした味わいです。

Magia d’Estate マジアデスターテ
ドイツのヴァイスビアをヒントに作られたウィートエールです。
オレンジピールの香りに泡は軽くきめ細やか。
乳酸菌の発酵による酸味とホップの苦味がアクセント。


Matthias マシアス
はちみつの香りと、豊かでクリーミーな泡のアンバーエール。
キャラメルのアロマ、果物、蜂蜜のオーガニックな味わいがしっかりと感じられます。

Bucefalo ブセファロ
力強い黒色、泡はクリーミーで赤褐色、芳醇なダークエールです。
チョコレート、コーヒー、リコリスの香りがホップの存在感と見事に調和。
ブラウンシュガーも効いていて嫌な苦味がありません。