普段何気なく手に取っているビールをはじめとしたお酒には、法律で定められた税金が加算されています。頻繁にビールを飲む人にとって、酒税の引き上げは死活問題!しかし、酒税法改正による影響はビールの値段だけではありません。酒税法改正で何が変わるのか、そもそも酒税法って何?という疑問を解決します。

Novi Luna ノヴィ・ルーナ
軽くきめ細やかな繊細な泡と、柔らかい乳白色に白濁したビール。
素材にラベンダー、カモミール、オレンジの花、コリアンダーの種、オレンジピールなどが使われ香りがとても豊かな華やかなエールビールです。

Cluviae クルヴィアエ
靄がかかったような黄色のブロンドビール。
素材にりんごジャムを使用し穀物や果実のフルーティーさとほんのり酸味の爽やかな味わいが楽しめます。

Emigrante エミグランデ
アメリカのペールエールをヒントにつくられた深い金色のブロンドエール。
麦芽を100%使用し、香りと苦味のバランスがよくしっかりとした味わいです。

Magia d’Estate マジアデスターテ
ドイツのヴァイスビアをヒントに作られたウィートエールです。
オレンジピールの香りに泡は軽くきめ細やか。
乳酸菌の発酵による酸味とホップの苦味がアクセント。


Matthias マシアス
はちみつの香りと、豊かでクリーミーな泡のアンバーエール。
キャラメルのアロマ、果物、蜂蜜のオーガニックな味わいがしっかりと感じられます。

Bucefalo ブセファロ
力強い黒色、泡はクリーミーで赤褐色、芳醇なダークエールです。
チョコレート、コーヒー、リコリスの香りがホップの存在感と見事に調和。
ブラウンシュガーも効いていて嫌な苦味がありません。
酒税はお酒の製造者・販売者が支払う税金
酒税や酒税法について、名前は知っていてもその実態を知らない人は多いはず。そもそも酒税は消費税とは別にかかる税金のことで、ビールはもちろん日本酒、ワインなどアルコール度数1%以上の飲料(アルコール含有の医薬品・医薬部外品を除く)に課されることになっています。
酒税自体はお酒の製造者や販売者が支払うものですが、お酒の金額に含まれているケースが多いので間接的に消費者が負担していることになります。「税率が上がる=お酒の値段が上がる」というのはこのような仕組みだったのですね。
2020年1月現在、ビールと発泡酒(麦芽比率により差異あり)、新ジャンルでそれぞれ異なる税率が課されています。
- ビール 約77円
- 発泡酒(25%≦麦芽比率≦50%) 約62円
- 麦芽比率<25% 約47円
- 新ジャンル 約28円
ビールの税率が最も高いことがわかりますよね。新ジャンルの税率との差は約50円にも及びます。
税率が販売価格に反映されることが多いので、発泡酒や新ジャンルはお財布にやさしいですよね。毎日の晩酌は発泡酒か新ジャンルにして節約しているという人も多いのではないでしょうか。
ビール類の過度な安売りにストップをかける改正も
2017年6月に行われた酒税法改正では、発泡酒や新ジャンルに対する値上げが進みました。
「若者のビール離れ」という言葉が示すようにビールの売り上げが下がるなか、打開策として販売された安価なビール系飲料を規制する法改正が施行されたのです。
つまり、ビール類を過剰に安売りするのはNGという国の方針が示されたということ。酒税法の改正内容をみてみると、ビールにおけるその時代の背景を読み取ることもできます。
具体例で振り返る!過去の酒税法改正で何が変わった?
酒税法改正によって変わるのは税率だけではありません。実は、ビールの定義そのものが変わってしまうような改正も珍しくないのです。
たとえば、2018年4月に行われた酒税法改正では、ビール系飲料の定義の変更が行われました。
水とホップをのぞいた原料の総重量のなかで麦芽が占める比率が50%以上のものをビールとして定義することになったため、該当する発泡酒もビールとして定義されるようになりました。
その一方で、ビールと認められる枠組みが緩和されたという一面も存在します。
2018年4月の酒税法改正までは、下記のもの以外を使用している商品はビールとして認められませんでした。
- 麦
- ホップ
- 米
- トウモロコシ(コーンスターチ)
- 馬鈴薯(じゃがいも)
- でんぷん
- 糖類(カラメル)
しかし、新しく施行された酒税法では、ビールの定義が「麦芽比率67%以上」から「50%以上」に引き下げられたことに加え、一定の制限はあるものの副原料として果実や香辛料を追加してもよいとされるようになりました。
ビールが苦手な人でも飲みやすい味わいのフルーツを使ったビールや、スパイスをきかせた個性的なビールなどが次々と登場。ビールづくりの幅が広がり、さらに個性豊かなビールがつくれるようになったのです。
なかには全国各地の特産品を使用し、地域振興の一環としてビールをつくるブルワリーも出てきました。大手ブルワリーはもちろんですが、小規模なブルワリーにとってもクラフトビールならではの多様性をより表現できるようになっています。
酒税法の改正は税率、ビールの値段だけにとどまらず、ビールそのものの定義を変えるようなものも存在します。
副原料を使用したビールを「発泡酒」として申請していたブルワリーも、はっきり「ビール」として届けを出すことができるようになったのも大きな変化といえますね。
段階的な酒税法改正で最終的には税率が一定に
2020年10月に行われる予定の酒税法改正では、ビールの税率が下がって新ジャンルの税率が上がります。この後も2023年、2026年と改正が続いていき、最終的にはビール、発泡酒、新ジャンルの税率が一本化されていく計画があるのです。
ビールの税率は段階的に低く、新ジャンルは高くなっていくということですね。
ビール好きならチェックするべき?今後も酒税法の動きに注目
酒税は消費者が納める税金ではないものの、ビールの価格に含まれているため間接的に払っているといっても過言ではありません。ビール好きにとって値上げは気になりますし、少しでも安く飲めるに越したことはないですよね。
酒税法改正は税率だけでなく、ビールの定義そのものを変えてしまうことも。定期的に施行される酒税法に注目してみると、ビールの「今」が見えてくるかもしれません。