程よい苦みと炭酸ののど越しが美味しいビールですが、ビールにもいくつか種類があることはご存知でしょうか?ビールといっても、1種類ではありません。この記事では、ビールの種類とその味の違い、種類ごとの代表的な銘柄をご紹介します。

「エール」と「ラガー」何が違うの?
最近は、店頭で売られているビールにも「〇〇エール」や「〇〇ラガー」と付くものが増えてきました。では、この「エール」と「ラガー」は何が違うのでしょうか?
「エール」と「ラガー」の違いは、作り方の違いです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
「エール」の特徴
「エール」は、「上面発酵」という方法で作られるビールです。
上面発酵は昔からあるビールの作り方で、常温からやや高温で発酵させます。
発酵させる期間は3日~4日と比較的短期間です。
発酵が進むと酵母が上の方に浮いてくるので、「上面発酵」といいます。
エールビールは、複雑な味わいと豊かな香りが特徴です。
しっかり冷やしてゴクゴク飲むよりも、程よく冷やしてじっくり味わうのに向いています。

「ラガー」の特徴
「ラガー」は、新しいビールの作り方である「下面発酵」で作られるビールです。
下面発酵は中世以降に始まったビールの作り方で、5℃くらいの低温で一週間から10日ほど発酵させます。
低温で発酵させると、上面発酵のビールに比べて雑菌が繁殖しにくく、大量生産するときも品質管理がしやすいことから、次第に下面発酵で作るラガーが世界の主流になっていきました。
ラガービールはスッキリとした味わいと爽やかなのど越しが特徴です。
エールビールに比べてさっぱりしているので、ゴクゴク飲めます。

個性豊かなビールの種類
エールとラガーの違いをお伝えしましたが、ビールはもっと細かく分けることができます。
「ヴァイツェン」や「スタウト」という言葉を聞いたことはありませんか?
これらはビールの「スタイル」というものです。スタイルは、味わいの特徴や違いのことを指します。
世界中には100種類以上のスタイルがあるとされており、中には特徴的な作り方で作られているものや、限られた地域でのみ作られているものもあります。
代表的なビールのスタイルと味わいの特徴、それぞれの代表的な銘柄をご紹介しましょう。
ピルスナー
「ピルスナー」は、私たちにとって最も馴染み深いスタイルのラガービールです。世界中で飲まれるビールの約7割がこのピルスナーだと言われています。
ピルスナーは1842年にチェコのピルゼンで生まれたスタイルで、ホップの苦みがしっかりと感じられるものでした。
後にドイツで作られるようになった「ジャーマンピルスナー」は、チェコのピルスナーよりもさらに軽やかですっきりとした味わいです。
日本のビールはジャーマンピルスナーをお手本に作られたので、ピルスナーは私たちに最も馴染み深いビールのスタイルといえます。
ヴァイツェン
・代表的な銘柄
COEDO Ruri
銀河高原ビール 小麦のビール
ハイネケン
キリン一番搾り生ビール
IPA
「IPA」は、ホップの強い苦みと豊かな香りが特徴のエールビールです。正式な名前を「インディアンペールエール」といいます。
イギリスで生まれたスタイルで、インドへの輸送にも耐えられるようにホップを大量に加え、アルコール度数も高くしてあります。
IPAと一口に言っても「インペリアルIPA」や「アメリカンIPA」などいくつかの種類に細かく分けられ、それぞれに異なる味わいが楽しめるのもIPAの魅力です。
インパクトのある苦みが感じられる通好みのスタイルと言えるでしょう。
・代表的な銘柄
インドの青鬼
SPRING VALLEY BREWERY 496
常陸野ネストビール ジャパニーズ・クラシック・エール
10ants The Fourth Dimension
スタウト
カラメルのようなコクとコーヒーのような香ばしさが感じられるスタイルが「スタウト」です。
色は黒く、力強い味わいですが苦みはマイルドなので、ビールの苦みが苦手な人でも飲みやすいスタイルといえます。
アイルランドで生まれたスタウトは、大麦を真っ黒になるまで焙煎してから作ります。
独特の苦みと香りは、他のスタイルには見られないスタウトだけの魅力です。
・代表的な銘柄
ギネスエクストラスタウト
箕面ビール スタウトアサヒ スタウト
マーフィーズ アイリッシュ・スタウト
ホワイト
最近になって注目を集めている「ホワイト」は、ベルギービールの代表的なスタイルです。
オレンジピールやコリアンダーを使うため、フルーティーな香りとピリッとしたスパイシーな風味が感じられます。
酵母をろ過していないので、白く濁っているのが特徴です。
苦みはそれほど強くないので、ビールの苦みが苦手な人でも飲みやすいです。
・代表的な銘柄
ヒューガルデン
ヴェデット
常陸野ネストビール ホワイトエール
水曜日のネコ
ヴァイツェン
ドイツ語で「白」を意味する「ヴァイツェン」は、小麦の香りが楽しめるスタイルです。
ヴァイツェン酵母を使うことで、バナナやクローブのような香りもします。
使われるホップの量は少なく、苦みもマイルドです。
泡立ちが良く、いつまでもクリーミーな泡が楽しめるのもヴァイツェンの魅力の一つ。ビール初心者でも飲みやすいビールです。
・代表的な銘柄
シェーファーホッファー
ポーラナー
グロールシュ プレミアムヴァイツェン
銀河高原ビール ヴァイツェン
まとめ 種類を知ってビールを飲み比べてみよう!
ビールと一口に言っても、その種類は様々です。発酵方法の違いから、原料の違い、作られた国の違いなどによって、100種類以上ものスタイルがあります。
ぜひ、色々なビールを飲み比べて、お気に入りの種類を見つけてみてください。

Novi Luna ノヴィ・ルーナ
軽くきめ細やかな繊細な泡と、柔らかい乳白色に白濁したビール。
素材にラベンダー、カモミール、オレンジの花、コリアンダーの種、オレンジピールなどが使われ香りがとても豊かな華やかなエールビールです。

Cluviae クルヴィアエ
靄がかかったような黄色のブロンドビール。
素材にりんごジャムを使用し穀物や果実のフルーティーさとほんのり酸味の爽やかな味わいが楽しめます。

Emigrante エミグランデ
アメリカのペールエールをヒントにつくられた深い金色のブロンドエール。
麦芽を100%使用し、香りと苦味のバランスがよくしっかりとした味わいです。

Magia d’Estate マジアデスターテ
ドイツのヴァイスビアをヒントに作られたウィートエールです。
オレンジピールの香りに泡は軽くきめ細やか。
乳酸菌の発酵による酸味とホップの苦味がアクセント。


Matthias マシアス
はちみつの香りと、豊かでクリーミーな泡のアンバーエール。
キャラメルのアロマ、果物、蜂蜜のオーガニックな味わいがしっかりと感じられます。

Bucefalo ブセファロ
力強い黒色、泡はクリーミーで赤褐色、芳醇なダークエールです。
チョコレート、コーヒー、リコリスの香りがホップの存在感と見事に調和。
ブラウンシュガーも効いていて嫌な苦味がありません。