クラフトビールは伝統的な上面発酵で作られる!エールビールは作りやすい

クラフトビールがどのように作られるか知っていますか?日本でよく売られている缶ビールや、お店の生ビールよりも味や色が濃い印象を持つでしょう。実は、クラフトビールの多くは日本でよく飲まれるビールとは違った製法で作られています。今回は、このクラフトビールがどのように作られているのか、ご紹介します。

上面発酵とは

クラフトビールの多くは、上面発酵で作られています。この上面発酵とはどのような製法なのでしょうか。日本のビールの作り方も合わせて解説します。

上面発酵と下面発酵

ビールが作られる過程で、“発酵”の段階があります。この発酵がどのようにして、おこなわれるかでビールの種類が分かれます。これが、上面発酵と下面発酵です。それぞれ見ていきます。

上面発酵

発酵中、麦汁に酵母が浮き上がる発酵のこと。

15~20℃の温度で発酵する。

上面発酵で作られたビールをエールビールという。

コクがあるのが特徴。

下面発酵

発酵中、麦汁に酵母が沈殿していく発酵のこと。

10℃前後で発酵する。

下面発酵で作られたビールをラガービールという。

スッキリとした味が特徴。

このように、上部に酵母が浮き上がるか、下に沈殿していくかと、発酵する温度に大きな違いがあります。上面発酵であるエールビールは、高温でも発酵できるため、冷凍機がなかった時代にも作られていました。19世紀に入ると、冷凍機が発明されたため、国を選ばなくても下面発酵のラガービールが作られるようになったのです。つまり、エールビールは伝統的な製法で作られていたということです。

日本のビールは下面発酵

現在の日本で大手メーカーが作っているビールの多くは下面発酵のラガービールです。日本の気候でもラガービールのスッキリとした爽快さがおいしく感じられます。しかし、昨今のクラフトビールブームからも日本でもエールビールが増えています。ビールを手にしたときに、ラガーなのかエールなのか少し気にしてみましょう。そして、爽快感を味わいたいならラガーを、じっくりと飲みたいならエールを選んでみてください。その日の気分に合わせてビールを選ぶのもいいですね。

クラフトビールとは

クラフトビールは上面発酵で作られることが多いと説明しましたが、そもそもクラフトビールはどのようなビールでしょうか。クラフトビールの定義について見ていきます。

小規模の醸造が作る

アメリカではクラフトビールの醸造所は小規模であり、独立していることを定義としています。日本では決まりはないため、大手のビール会社がクラフトビールを作ることもあります。こだわって作られていれば、かまわないのですね。しかし、過去には小さな醸造所がクラフトビールを作ってきたという背景がありますから、そのイメージをしているとわかりやすいでしょう。

エールビールがメイン

クラフトビールはエールビールが多いです。エールビールは、上面発酵で、豊かなコクが特徴でしたね。温度も、低温にする必要がありませんでした。日本で作られているクラフトビールもエールビールのものが多いです。なぜ、クラフトビールは伝統的な製法であるエールビールで作られるのでしょうか。次の章で解説します。

クラフトビールに上面発酵が多い理由

クラフトビールに上面発酵であるエールビールが多い理由は次の2点が挙げられます。

  • コストが少なくて済む
  • 環境を問わない

一つずつみていきましょう。

コストがかからない

上面発酵は、比較的高温で発酵させる製法です。下面発酵であれば、温度を低く保つ必要があり、そのための設備が必要になります。つまり、コストがかかるのは下面発酵と言えます。

上面発酵は、低コストでも作られることから、小規模の醸造所でも作ることができたのでしょう。

環境を選ばない

上面発酵は下面発酵に比べて、高温で発酵させることができました。冷やす必要がないため、どんな地域でも作ることができたのです。手軽にビールが作れていたのですね。エールビールが作りやすかったことがわかります。

コストや温度環境の面からエールビールは気軽で、小規模な醸造所でもビールを作ることができていました。クラフトビールといえばエールビールと感じるのも、こういった背景があるからだったのですね。

クラフトビールとは

ビールの形は多様化している

クラフトビールはエールビールが多いと述べて来ましたが、これはあくまでも歴史的な背景から影響があります。設備も豊かになった現在では、クラフトビールのジャンルでもラガービールが存在しています。またビールの製造過程である“ろ過”についても、おこなう・おこなわないなど、ビールの作り方が多様化しています。以前は、環境やコストの事情で作れなかったものも、現代では作られるようになりました。今では、伝統的な製法と、現代の製法が合わさり、多種多様なビールが生まれているのです。

伝統的な上面発酵で作られるクラフトビールのクロージング

上面発酵で作られるエールビールは、伝統的な製法でスタートしたことから、クラフトビールに大きな影響がありました。しかし、現在では多様なビールが増えています。きっとこれからもビールの未来は変化していくでしょう。自分の好きな系統を探しながら、ビールの幅を広げてみてください。まずはラガーとエールの飲み比べからスタートしてはいかがでしょうか。

Novi Luna ノヴィ・ルーナ

ふわっと軽やか、華やかな香り
軽くきめ細やかな繊細な泡と、柔らかい乳白色に白濁したビール。
素材にラベンダー、カモミール、オレンジの花、コリアンダーの種、オレンジピールなどが使われ香りがとても豊かな華やかなエールビールです。

Cluviae クルヴィアエ

爽やかなりんごジャムの酸味
靄がかかったような黄色のブロンドビール。
素材にりんごジャムを使用し穀物や果実のフルーティーさとほんのり酸味の爽やかな味わいが楽しめます。

Emigrante エミグランデ

麦芽100%
アメリカのペールエールをヒントにつくられた深い金色のブロンドエール。
麦芽を100%使用し、香りと苦味のバランスがよくしっかりとした味わいです。

Magia d’Estate マジアデスターテ

オレンジピールの爽やかな香り
ドイツのヴァイスビアをヒントに作られたウィートエールです。
オレンジピールの香りに泡は軽くきめ細やか。
乳酸菌の発酵による酸味とホップの苦味がアクセント。

Magia Rossa マジア・ロッサ

麦芽の芳醇さとオレンジの香り
琥珀色で、甘く麦芽の味わい豊かなウィートエール。
麦芽の香ばしさとオレンジピールの爽やかさのバランスが絶妙です。

Matthias マシアス

濃厚なはちみつの香り
はちみつの香りと、豊かでクリーミーな泡のアンバーエール。
キャラメルのアロマ、果物、蜂蜜のオーガニックな味わいがしっかりと感じられます。

Bucefalo ブセファロ

深いコクの芳醇なダークエール
力強い黒色、泡はクリーミーで赤褐色、芳醇なダークエールです。
チョコレート、コーヒー、リコリスの香りがホップの存在感と見事に調和。
ブラウンシュガーも効いていて嫌な苦味がありません。

この記事を書いた人

アバター画像

サポーター公式