
クラフトビールはそのスタイルによってそれぞれ際立った個性を持っています。そのため、おいしく感じる温度や合わせる料理が全く異なります。
それらの味の違いやその違いに合ったビールの飲み方を知ることで、ビールをより深く楽しむことができるでしょう。
この記事では、それぞれのビールの味の違いを見極めるときの飲み方や、スタイル別の適した飲み方をご紹介します。
ビールの味の見分け方
ビールに潜む繊細な味わいはゴクゴクと飲んでいるだけでは感じることができません。
せっかく豊かな特徴を持つビールを飲んでいてもそれに気づかなくてはとてももったいない。ビールの僅かな味の違いを見極めるためにこれからご紹介する飲み方を試してみましょう。
- グラスに注ぐ

まず、ビールは必ずグラスに注いでから飲みましょう。
グラスに注ぐことによって、色の違いがわかるだけでなく、香りが立ちやすくなり、味の違いが感じやすくなります。
スタイルによって様々な形のグラスがありますが、それらをお持ちでない方はワイングラスに注ぐことをおすすめします。
2.見た目を楽しむ

グラスにビールを注いだら、そのビールを観察してみましょう。
泡立ちや、濁り方もビールによって全く違います。
3.香りを楽しむ

次に香りを嗅いでみましょう。ビールによって、甘い香りがしたり、フルーティーな香りがしたりと様々香りを楽しむことができます。劣化したビールが出す香りもあり、その香りの特徴を知っていればそれらを見極めることもできます。
4.味わいながらゆっくり飲む

ピルスナーのようにゴクゴクっとのど越しを楽しむような飲み方がおいしいビールもありますが、そのビールがどんなタイプのビールなのか見極めるためにはまずゆっくりと飲み、しっかり味わいながら飲んでみましょう。
ビールの苦みは舌の奥の方で感じやすいと言われています。
舌の上でビールを転がし、苦みの強さも感じましょう。
5.飲んだ後の余韻を感じる

ビールを飲んだ後に口に残る味や鼻に抜ける香りも全く違います。苦みはどれくらい残るのか、口の中で広がる味わいや後から感じる香りはどのようなものかを意識してみましょう。
このような方法でビールを飲むことで、味わいの違いを感じやすくなります。それによってそれぞれのビールに合う料理を考えられるようにもなります。
クラフトビールは複雑な旨味を持つものが多く、それに合わせて料理も選んでいきます。
例えばフレッシュでやさしい触感のものにはフルーティーで柔らかいタイプというように、相性を考えて組み合わせることが重要です。
ビールと料理を合わせるときは、特に、香り、色合い、重さを考えることがとても重要であると言われています。
スタイル別にそれに合った飲み方や料理を紹介
ピルスナー
日本人に一番なじみの深いスタイルのピルスナー。
夏の暑い時期には冷えたピルスナーをゴクゴクっと飲むととても心地良いでしょう。
ドライな飲み口と強めの炭酸で口中をさっぱりさせる特徴があります。そのため油っぽいものを食べた後に飲めばとてもさっぱりします。
シンプルな味わいで料理に合わせやすいのもこのスタイルの特徴です。
苦みが肉の旨味、脂の甘味を引き立てるので肉料理全般に合わせることができます。
しかし、このピルスナーは例えばお刺身などと一緒に飲むにはあまり適しません。ピルスナーの持つ特徴が魚の生臭さを際立たせてしまいます。
ペールエール
ペールエールは前述したピルスナーのように冷やして飲むというよりは比較的高温で味わうものが多いです。
フルーティーなエステル香を持ち、モルトの甘味とホップの苦みのバランスが良いのがこのスタイルの特徴です。ピルスナーと同じく、ペールエールも、幅広いジャンルの料理に合わせやすいスタイルです。
ハンバーガーなどの肉料理とモルトの甘味は相性抜群、ペールエールが持つ独特の旨味
と肉の旨味を合わせることでコクが生まれ、料理のおいしさを引き立てます。
冷やすと苦みが出すぎるので、10℃前後で飲むのがおすすめです。
スタウト
スタウトはちびちびと濃厚な味わいをじっくり楽しみながら飲むビールです。
スタウトのロースト香とは焼いた料理やスパイスの風味がよく合います。
具体的にはグリル野菜やスモーク料理と相性が良いです。
コーヒーやチョコレートを思わせる濃厚な味わいはそのままチョコレートや、バニラアイスなどのスイーツにもよく合います。
バーレイワイン
バーレイワインは「麦のワイン」という意味を持つビールです。
ワイン並みのアルコール度数があり、複雑な風味が特徴です。
バーレイワインの持つ甘味と強いアルコール感は料理にまろやかさを与えます。
また、しっかりした飲みごたえと旨味があるため、それに合わせて料理も重めのものがよく合います。
例えば、和食なら甘辛いすき焼きや煮つけなどと合わせるとバランスが良いでしょう。
飲み頃の温度は16℃前後と高めです。
自分好みのクラフトビールを見つけよう

ここまでスタイル別に飲み方や相性の良い料理をご紹介しましたが、実際には単純にこの料理にはこのビールというものではありません。
複数の要素の組み合わせによってビールと料理の相性は変わります。
これからクラフトビールが広まることで食事の楽しみもますます広がっていくでしょう。
スタイルによってどんな料理が合うか自分なりに試してみると面白いと思います。

Novi Luna ノヴィ・ルーナ
軽くきめ細やかな繊細な泡と、柔らかい乳白色に白濁したビール。
素材にラベンダー、カモミール、オレンジの花、コリアンダーの種、オレンジピールなどが使われ香りがとても豊かな華やかなエールビールです。

Cluviae クルヴィアエ
靄がかかったような黄色のブロンドビール。
素材にりんごジャムを使用し穀物や果実のフルーティーさとほんのり酸味の爽やかな味わいが楽しめます。

Emigrante エミグランデ
アメリカのペールエールをヒントにつくられた深い金色のブロンドエール。
麦芽を100%使用し、香りと苦味のバランスがよくしっかりとした味わいです。

Magia d’Estate マジアデスターテ
ドイツのヴァイスビアをヒントに作られたウィートエールです。
オレンジピールの香りに泡は軽くきめ細やか。
乳酸菌の発酵による酸味とホップの苦味がアクセント。


Matthias マシアス
はちみつの香りと、豊かでクリーミーな泡のアンバーエール。
キャラメルのアロマ、果物、蜂蜜のオーガニックな味わいがしっかりと感じられます。

Bucefalo ブセファロ
力強い黒色、泡はクリーミーで赤褐色、芳醇なダークエールです。
チョコレート、コーヒー、リコリスの香りがホップの存在感と見事に調和。
ブラウンシュガーも効いていて嫌な苦味がありません。